日米関税交渉第2弾「10兆円枠」の中身を解剖:SMR・天然ガス発電で「化ける」関連銘柄12選と影響分析

関連銘柄(ブログ)

日米関税交渉第2弾について

ニュースの概要と重要テーマ

背景と重要テーマの特定

直近のニュースは、日米関税交渉で合意した5500億ドル(約87兆円)の対米投融資の第2弾が計10兆円規模になる方向で調整していることを報じています。次世代原子力や天然ガス火力発電施設の建設事業などを盛り込む見通しであり、次世代原発の小型モジュール炉(SMR)を建設する案件や、ガス火力発電を2カ所設ける案件などが入る見込みです。

この投融資の背景には、2022年に約460TWh(世界電力消費の1.5%)であったデータセンター電力需要が、2030年予測では1,050TWh以上(3.1%超)とされ、約2.3倍への急増が確実視されている状況があります。特に生成AIの普及により、2026年までに専用AIデータセンターからの電力需要が2023年レベルから10倍以上に成長する可能性があるとIEAが推計しています。

対米投融資の構造と背景

5500億ドル(約80兆円)規模の対米投資は、JBIC(国際協力銀行)やNEXI(日本貿易保険)だけでなく、日本の民間企業による投資が中心で、政府系金融機関はあくまで「支援枠」として関与する立場です。日本は、2029年1月19日までに、半導体、医薬品、金属、重要鉱物、造船、パイプラインを含むエネルギー、人工知能(AI)・量子コンピューティングなどの分野で、5,500億ドルを米国に投資する計画となっています。

この投資の仕組みについては、投資ファンド(基金)のかたちを採り、出資金(エクイティ)=シードマネーを日米で投資して、さらに日本の国際協力銀行と民間銀行が共同で融資をするものと見られています。

GEベルノバ日立のSMR計画

GEベルノバ日立によるSMR(小型モジュール炉)「BWRX-300」は、すでに実績が出始めています。現地電力大手のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)向けのプロジェクトで、2030年末までの運転開始を目指し、出力は30万キロワットと一般家庭30万世帯分に相当する規模です。

日立GEニュークリア・エナジーは、カナダ・オンタリオ州営電力会社、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)が進めるSMR4基を擁する「ダーリントン新原子力発電所プロジェクト(DNNP)」の初号機に炉内構造物、改良型制御棒駆動機構、制御棒駆動水圧ユニットを提供することが決まっています。

さらに、テネシー川流域開発公社(TVA)は、テネシー州オークリッジのクリンチリバーサイトへのGEベルノバ日立ニュークリアエナジー株式会社(GVH)によるBWRX-300小型モジュール炉(SMR)の建設に向け、米国原子力規制委員会(NRC)に申請書を提出しており、米国内でもSMR建設が進展しつつあります。

天然ガス火力発電の需要拡大

天然ガス火力発電は、データセンター向けの電源として注目を集めています。建設期間が短く、安定供給が可能なガスによる火力発電所がデータセンター向けの電源として注目されており、同じ敷地内にデータセンターと発電所を併設するといったことも比較的容易とされています。

日本企業もすでに米国での天然ガス火力発電事業に参画しています。発電容量92万kWの天然ガス焚コンバインドサイクル発電所がペンシルバニア州ウェストモアランド郡に建設され、2019年度の商業運転開始を予定し、米国最大の電力市場であるPJM市場に対し電力を供給した実績があります。

今後の展開シナリオ

シナリオ1:計画通りの進展(確率60%)
10兆円規模の第2弾投融資が計画通りに進み、SMR建設と天然ガス火力発電所2カ所の建設が実現するシナリオです。日立製作所を中心とした日本企業が米国での次世代エネルギーインフラ構築に深く関与し、安定的な収益を確保できる展開となります。カナダでの実績を活かし、米国でもSMRの商用化が進むことで、脱炭素と電力需要増加の両立が図られます。

シナリオ2:規制や許認可の遅延(確率25%)
180基の原子炉を国際的に分析した結果、97%が平均117%または12億ドルのコスト超過、64%が時間超過であり、電力インフラの選択肢の中でもっとも高い財務リスクを負っているというデータもあり、SMRの建設が規制や許認可の問題で遅延する可能性があります。この場合、天然ガス火力発電所の建設が先行し、日本企業の関連機器供給が前倒しで増加する可能性があります。

シナリオ3:AI電力需要の鈍化(確率15%)
米国でAIに使うデータセンター建設計画を過剰申請する事例が横行しており、実現性の低い「ゴーストデータセンター」を電力会社に提出し、電気を先に確保する手法が問題視されています。AI投資バブルが冷え込むと、電力需要予測が下方修正され、投融資規模が縮小する可能性もゼロではありません。

つばメモ
つばメモ

第2弾投融資10兆円のニュースは、日米経済連携の新たなフェーズを象徴していると思います。特に注目すべきは、単なる資金提供ではなく、日本企業の技術力を活かした「稼げる投資」になっている点です。GEベルノバ日立のSMRは既にカナダで実績を積んでおり、米国でも実現可能性が高いと考えます。一方で天然ガス火力発電は、SMRよりも短期間で建設可能なため、より確実な収益源になるでしょう。AI電力需要という新たな成長ドライバーと、日本の原子力・重電技術が組み合わさることで、関連企業には中長期的な成長機会が開かれていると見ています。ただし、米国の政治リスクや規制変更には常に警戒が必要で、分散投資の観点も忘れてはならないと思います。

引用サイト:

影響セグメントの特定

影響セグメントの特定と資金の流れ

日米関税交渉で合意した5500億ドル(約87兆円)の対米投融資の第2弾が計10兆円規模となり、次世代原発や天然ガス発電施設の建設事業などを具体化させる姿勢を示し、GEベルノバ日立の小型モジュール炉(SMR)を建設する計画のほか、天然ガス発電施設を2カ所建設する事業が盛り込まれる見通しです。

生成AI(人工知能)のブームを背景として、2026年に世界のデータセンターやAI、仮想通貨などによる電力消費量が2022年比で最大で2.3倍程度に膨れ上がり、米国ではデータセンターの建設ラッシュが続き、前年同期と比較して69%増加しています。

この投融資計画は、2030年までにアメリカの電力消費量の約9%をデータセンターが占める可能性があり、日本でもデータセンターと半導体工場の新増設による最大需要電力は、2034年度には2025年度比で約13倍になることが予測されていることから、エネルギーインフラへの巨額投資が不可欠な状況を反映しています。

資金の流れの仕組み

フェーズ1:投融資の実行メカニズム

投資ファンド(基金)の形を採り、出資金を日米で投資して、さらに日本の国際協力銀行と民間銀行が共同で融資をし、具体的な投資先は米国大統領が設置する「投資委員会」の推薦に基づき、米国大統領が選定されます。この仕組みにより、日本企業は米国のエネルギーインフラ整備プロジェクトに確実に参画でき、安定的な受注機会を得ることができます。

フェーズ2:SMRと天然ガス火力への資金流入

日立GEニュークリア・エナジーは、カナダ・オンタリオ州営電力会社が進めるSMR4基を擁する「ダーリントン新原子力発電所プロジェクト」の初号機に炉内構造物、改良型制御棒駆動機構、制御棒駆動水圧ユニットを提供し、2030年末までの運転開始を目指す実績があります。この米国での展開により、日立製作所とそのサプライチェーンを構成する日本企業に資金が流れ込みます。

天然ガス火力発電については、データセンター向けガス火力発電が対米投資の第1号案件候補として挙げられており、建設期間が短く、安定供給が可能なガスによる火力発電所がデータセンター向けの電源として注目されています。

フェーズ3:関連機器メーカーへの資金循環

日立エナジーは、米国で2027年までに2億5千万ドル超の投資を行い、米国バージニア州・ミズーリ州・ミシシッピ州、アジア、南米、欧州の工場における変圧器の重要部品の製造能力を強化することを発表しており、送配電インフラ強化にも巨額の資金が流れます。

影響セグメント一覧

業界影響度評価選定理由
SMR(小型モジュール炉)関連大(ポジティブ)第2弾10兆円投融資の中核プロジェクトとして複数基のSMR建設が計画されており、日立製作所を筆頭とした日本企業がカナダでの実績を基に米国展開を本格化。原子炉圧力容器、制御棒、蒸気発生器などの主要機器供給で莫大な受注機会。
天然ガス火力発電設備大(ポジティブ)2カ所の天然ガス発電施設建設が盛り込まれ、ガスタービン・コンバインドサイクル発電設備の需要が急増。三菱重工業の1700℃級ガスタービンなど高効率機器への需要が高まる。データセンター向け電源として短期間で建設可能なため、SMRより先行して受注拡大の可能性。
送配電インフラ・変圧器中〜大(ポジティブ)AI電力需要増加に伴い、送配電網の増強が不可欠。日立エナジーが2.5億ドル超を投資して変圧器製造能力強化を発表しており、ダイヘンなど国内メーカーにも波及効果。データセンター建設ラッシュで大型変圧器需要が急増中。
原子力部材・鍛鋼品中〜大(ポジティブ)SMR建設には原子炉圧力容器、蒸気発生器などの大型鍛鋼品が不可欠。日本製鋼所は世界シェアの大半を占め、年間4基から12基への増産体制を整備中。米国以外でも全世界のSMR案件を含めた需要拡大が見込まれる。
エネルギーEPC・プラント建設中(ポジティブ)SMRや天然ガス火力発電所の建設には総合的なエンジニアリング能力が必要。日揮ホールディングス、IHIなどのEPCメーカーが設計・調達・建設を一括受注する機会が増加。海外実績を国内案件に展開する流れも加速。
電力ケーブル・送電線材料小〜中(ポジティブ)発電所からデータセンターへの送電網構築に電力ケーブル、送電鉄塔、がいしなどが必要。古河電工、日本ガイシ、那須電機鉄工などに恩恵。ただし全体の投融資規模に占める割合は相対的に小さい。
つばメモ
つばメモ

今回の10兆円規模投融資で最も注目すべきは、資金の流れが一方通行ではなく「循環構造」を持っている点だと思います。日本政府がJBICを通じて融資枠を提供し、米国でのプロジェクトに日本企業が参画、そこで得た利益と技術を国内のエネルギーインフラ整備に還元するというサイクルです。特にSMRは、カナダでの実績が米国案件の呼び水となり、さらに欧州やアジアへの展開も視野に入っています。天然ガス火力は即効性があり、2〜3年で稼働可能なため、短期的な収益貢献が期待できます。一方で送配電インフラは地味ですが、データセンター増加が続く限り安定需要が見込めます。投資家としては、SMR関連のハイリスク・ハイリターンと、送配電関連の安定成長をポートフォリオでバランスを取るのが賢明だと考えます。

注目企業1位:日立製作所(6501)

ビジネスモデルと収益構造

日立製作所は、GEベルノバとの合弁会社「GEベルノバ日立」(GEベルノバ60%、日立40%出資)を通じてSMR「BWRX-300」を展開しています。カナダ・オンタリオ州で初号機建設中で2030年末までの運転開始を目指しており、米国テネシー川流域開発公社(TVA)も建設申請を提出済みです。

さらに日立エナジーは、2020年のABBパワーグリッド事業買収により世界最大級の送配電機器メーカーとなり、2024年度売上2兆3955億円、調整後営業利益2576億円(全社の26%)を稼ぎ出す中核事業に成長しました。受注残高は7兆円を超え、2027年までに変圧器関連で60億ドル超の投資を完了し、今回さらに2.5億ドルを追加投資します。

今回のニュースによる影響

短期的影響(〜1年)

10兆円規模の第2弾投融資案件でSMR建設と送配電インフラ強化が明確化されたことで、投資家の注目度が高まります。日立エナジーは既に米国で変圧器製造能力強化を進めており、データセンター向け送配電需要の取り込みが加速します。株価は材料視され、短期的な上昇が期待できます。

中期的影響(1〜3年)

SMRのカナダ初号機が2030年運転開始予定であり、その実績が米国TVA案件の推進力となります。日立GEニュークリアエナジーは炉内構造物、改良型制御棒駆動機構、制御棒駆動水圧ユニットの供給で収益化が本格化します。日立エナジーは変圧器増産体制が完成し、北米市場でのシェア拡大が確実視されます。

長期的影響(3年〜)

SMRが米国で商用化されれば、欧州やアジアへの展開が加速し、日立製作所のエネルギー事業は新たな成長ドライバーとなります。データセンター電力需要が2030年に2022年比2.3倍に拡大する予測の中で、送配電インフラ事業は安定的な収益基盤となります。SMRと送配電の両輪で、長期的な企業価値向上が見込まれます。

リスク要因

  • 規制・許認可の遅延リスク: SMRは原子力規制委員会(NRC)の承認が必要で、過去のデータでは原子炉建設の64%が時間超過、97%がコスト超過となっています。許認可の遅延が収益化を遅らせる可能性があります。
  • GEベルノバとの合弁リスク: 日立の出資比率は40%であり、意思決定においてGEベルノバの影響力が大きい構造です。戦略の不一致や技術統合の遅れがリスクとなります。
  • データセンター需要の変動: AI投資バブルが冷え込むと、電力需要予測が下方修正され、送配電インフラ投資が縮小する可能性があります。米国では「ゴーストデータセンター」問題も浮上しており、過剰な電力確保申請が実需に結びつかないリスクがあります。
  • 為替リスク: 売上の大半が海外であり、円高局面では利益が圧迫されます。

投資判断のポイント

日立製作所は、SMRと送配電インフラという2つの成長領域で確固たるポジションを築いています。特に日立エナジーは既に収益化が進んでおり、受注残7兆円という強固な基盤があります。SMRはリスクが高いものの、カナダでの実績が米国案件の信頼性を高めており、実現可能性は他社より高いと評価できます。中長期的な成長を狙う投資家にとって、今回の10兆円投融資は大きな追い風となります。ただし、規制リスクやAI需要の不確実性を考慮し、短期的な値動きに一喜一憂せず、3〜5年のスパンで保有する姿勢が重要です。

注目企業2位:三菱重工業(7011)

ビジネスモデルと収益構造

三菱重工業は2023年ガスタービン世界シェア36%で2年連続1位、大型機種では56%のシェアを誇ります。1700℃級JAC形ガスタービンでGTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)発電効率64%以上を達成し、業界最高水準の性能を実現しています。

2024年度GTCC事業売上は約8,000億円(エナジー部門売上1.8兆円の約44%)で、27年3月期をメドに生産能力を3割増強する計画です。データセンター向けガス火力需要の高まりを受け、受注が好調に推移しています。

今回のニュースによる影響

短期的影響(〜1年)

第2弾投融資で天然ガス発電施設2カ所の建設が盛り込まれることが明確化され、ガスタービン受注の増加が期待されます。天然ガス火力はSMRより建設期間が短く、2〜3年で稼働可能なため、受注から収益化までのサイクルが早いのが特徴です。株価は材料視され、短期的な上昇が見込まれます。

中期的影響(1〜3年)

米国でのガス火力発電所建設が本格化し、ガスタービン及び周辺機器の納入が進みます。データセンター建設ラッシュが続く中、電力需要の急増に対応できる唯一の現実的な選択肢として、ガス火力への需要は堅調に推移します。生産能力3割増強が完了すれば、受注増加に対応可能となり、収益拡大が加速します。

長期的影響(3年〜)

2030年までにデータセンターが米国電力消費の9%を占める予測の中で、ガス火力は安定供給が可能な電源として長期的な需要が見込まれます。さらに、水素混焼や水素専焼ガスタービンへの転換技術を保有しており、脱炭素の流れにも対応可能です。SMRが商用化されるまでの「つなぎ電源」ではなく、長期的な主力電源としての地位を確立する可能性があります。

リスク要因

  • 脱炭素政策の影響: 天然ガス火力はCO2を排出するため、厳格な環境規制が導入されると新規建設が制限される可能性があります。ただし、水素混焼技術でリスクは軽減されます。
  • 天然ガス価格の変動: 天然ガス価格が高騰すると、発電コストが上昇し、ガス火力発電所の経済性が悪化します。これが新規建設の抑制につながるリスクがあります。
  • データセンター需要の不透明感: AI投資が鈍化すると、データセンター建設計画が縮小し、電力需要予測が下方修正される可能性があります。
  • 競合の激化: GE、シーメンスエナジーなど欧米メーカーとの競争が激しく、価格競争に巻き込まれるリスクがあります。

投資判断のポイント

三菱重工業は、SMRよりも確実性の高い天然ガス火力で短期的な収益を確保できる強みがあります。ガスタービンの世界シェア36%、大型機種56%という圧倒的なポジションは、競合を寄せ付けない技術力の証です。データセンター向け電源需要は今後数年間確実に伸びるため、中期的な業績拡大が見込めます。一方で、脱炭素の流れは長期的なリスク要因であり、水素混焼技術の商用化動向を注視する必要があります。リスクとリターンのバランスを考えると、短中期(1〜3年)での投資妙味が高い銘柄と評価できます。

注目企業3位:日本製鋼所(5631)

ビジネスモデルと収益構造

日本製鋼所は、原子炉圧力容器など大型鍛鋼品で世界シェアの大半を占め、ロシアを除く全世界の原子力発電所に供給しています。2024年11月には北米向けSMR部材(内部構造物)を初受注しました。

SMRは一次系部材(原子炉圧力容器、蒸気発生器など)を受注対象としており、高い要求仕様と原子力特有の規制要求により、競争優位性が極めて高い分野です。年間4基から12基への増産体制を既に整備しており、SMR需要の拡大に対応可能な生産能力を保有しています。

さらに、ガスタービン用ローターシャフトも手掛けており、ガス火力発電需要の高まりでも受注水準が向上しています。

今回のニュースによる影響

短期的影響(〜1年)

第2弾投融資でSMR建設が明確化されたことで、原子炉圧力容器や内部構造物の受注期待が高まります。2024年11月に北米向けSMR部材を初受注した実績があり、今回の米国案件でも受注が見込まれます。株価は材料視され、短期的な上昇が期待できます。

中期的影響(1〜3年)

米国でのSMR建設が本格化すれば、原子炉圧力容器や蒸気発生器などの主要部材の受注が増加します。カナダの初号機が2030年運転開始予定であり、その実績が米国案件を後押しします。年間12基対応の増産体制が稼働すれば、収益拡大が加速します。ガスタービン用ローターシャフトも、ガス火力発電所2カ所の建設で需要増が見込まれます。

長期的影響(3年〜)

SMRが米国で商用化されれば、欧州やアジアへの展開が加速し、世界中のSMR案件で受注機会が拡大します。原子炉圧力容器は1基あたり数十億円規模の受注となり、年間12基対応で数百億円の売上増が見込まれます。競合が限られるため、長期的な収益基盤として確立する可能性が高いです。

リスク要因

  • SMR商用化の遅延リスク: 原子炉建設は規制が厳しく、過去のデータでは97%がコスト超過、64%が時間超過となっています。SMRの商用化が遅れると、受注時期も後ズレします。
  • 受注の集中リスク: SMR案件が一時的に集中し、その後の受注が途切れる「波動」が発生する可能性があります。安定的な受注確保が課題です。
  • 競合の出現: 現在は世界シェアの大半を占めていますが、中国や韓国のメーカーが技術力を高めれば、競争が激化するリスクがあります。
  • 原子力政策の変更: 米国や欧州で原子力政策が転換されると、SMR需要が減少する可能性があります。

投資判断のポイント

日本製鋼所は、原子炉圧力容器という「SMRに不可欠で代替困難な部材」で世界を握っている点が最大の強みです。競合が限られ、参入障壁が極めて高いため、SMR需要が現実化すれば確実に恩恵を受けます。2024年11月の北米向け初受注は、米国市場への足がかりとして重要な意味を持ちます。一方で、SMR商用化には時間がかかるため、短期的な業績貢献は限定的です。中長期(3〜5年以上)のスパンで、SMR市場の成長を取り込む戦略的な投資先として評価できます。株価は相対的に割安であり、SMR関連のテーマ株として注目度が高まれば、大きな上昇余地があると考えます。

つばメモ
つばメモ

注目企業3社を分析して感じるのは、それぞれが異なる時間軸で収益化するという点です。三菱重工業は短期的な確実性が高く、日立製作所は中期的なバランス型、日本製鋼所は長期的なハイリターン型と整理できます。ポートフォリオを組む際は、この時間軸の違いを意識して、リスク許容度に応じて配分を調整するのが賢明だと思います。個人的には、日立製作所の送配電事業の安定感と、三菱重工業のガスタービン事業の即効性を評価しています。日本製鋼所は投機的な要素が強いですが、SMRが本格化すれば大化けする可能性を秘めていると見ています。

影響を受ける企業一覧

企業名証券コード影響度評価選定理由
日立製作所6501GEベルノバ日立でSMR「BWRX-300」を展開。カナダで初号機建設中、米国TVAも建設申請済み。日立エナジーは送配電インフラで世界最大級、受注残7兆円超。2027年までに変圧器関連で60億ドル超投資、さらに2.5億ドル追加投資。
三菱重工業7011ガスタービン世界シェア36%で2年連続1位、大型機種56%シェア。1700℃級JAC形で発電効率64%以上達成。2024年度GTCC事業売上約8,000億円。27年3月期をメドに生産能力3割増強予定。天然ガス火力2カ所建設で確実な受注増。
日本製鋼所5631中〜大原子炉圧力容器など大型鍛鋼品で世界シェア大半。2024年11月に北米向けSMR部材初受注。年間4基から12基への増産体制整備済み。SMR一次系部材で高い競争優位性。ガスタービン用ローターシャフトも需要増。
日揮ホールディングス19632021年4月に米NuScale Powerへ40百万米ドル出資。SMRプラントEPC事業参画予定。NuScaleのSMR「VOYGR」は米国・ルーマニアなどで建設計画進行中。国内で使用済核燃料再処理施設などのEPC実績。
IHI70132021年5月にNuScale Powerへ出資、SMR事業参画。NuScaleのSMRプラント「VOYGR」の格納容器製造・検査技術を担当。カーボンソリューションを成長事業と位置づけ。高強度特殊材料の溶接技術研究推進。
ダイヘン65082025年12月発表で三重事業所に100億円投資、大型変圧器生産能力を2029年度までに2倍に増強。データセンター・半導体工場新設で変電所機器需要急増。電力向け小型変圧器で国内シェアトップ。
富士電機6504小〜中産業用変圧器、受変電設備を手掛ける重電メーカー。データセンターや半導体工場向け電力インフラ需要で恩恵。ただし全社売上における電力機器の構成比は相対的に小さい。
山洋電気6516小〜中データセンター向け無停電電源装置(UPS)を手掛ける。データセンター増設に伴う需要増が見込まれるが、今回の投融資案件での直接的な恩恵は限定的。
大同特殊鋼5444小〜中原子力発電所向け部素材(制御棒駆動装置など)を供給。SMR需要拡大で部材供給機会増加の可能性。ただし全社売上における原子力部門の比率は小さい。
大同メタル工業5471原子力発電所向け軸受など機械部品を供給。SMR関連での需要増が見込まれるが、影響は限定的。
那須電機鉄工5858小〜中超高圧送電用鉄塔、変電所内鉄構・架台などを手掛ける。送電網再整備で恩恵を受けるが、SMRや天然ガス火力向けの直接的な受注は不透明。時価総額規模小さく値動き的には注目。
日本ガイシ5333小〜中送電線用がいし(絶縁体)で高シェア。送電網増強で需要増が見込まれる。データセンター需要高まりで電力インフラ強化は追い風だが、電線地中化が進む都市部では需要減の可能性。

次はテーマ銘柄検索AIで個別銘柄を詳しく調べたり、
買い時診断AIで具体的な投資タイミングを分析してみましょう。

【免責事項】※本情報はAIによる分析であり、特定の銘柄の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終決定は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

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